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和服の「TPO」も人それぞれ

意味を知っている人もいると思うが、Time(時間)、Place(場所)、Occasion(場合)の頭文字を取ってTPO、すなわち「時、場所、場合にあった方法(選択)」ということだ。一見すると難しいことを表してそうだが、実はたいていの人が実践していることを、簡単に言葉として表しているに過ぎない。

和服に限らず洋服でも言われるこの「TPO」、それをどう考えればいいのか、私なりの考え方を解説しておこう。

早い話、状況を分析すればいいだけ。

では、和服の場合はこれらをどう考えればいいか、例を使って解説してみよう。「7月の第二土曜日午後3時、東京都中央区銀座4丁目で行われる、キモノの集いに参加する」いや、悪意はないですよホント。

Time(時間)

例からだと「7月の第二土曜日午後3時」。

和服の場合、洋服の礼服のように朝晩で着るものが違うこともないので、昼間と夜間の違いより、7月という「季節」を考えたほうがいいだろう。季節に合わせた仕立て方、イメージされる色(柄はあまり関係ないと思う)を選んで着ればいい。

よって、Time(時間)ではなく「Season(季節)」といったところだ。

Place(場所)

例からだと「東京都中央区銀座4丁目で行われる」。

もし北海道や沖縄からくる人なら、地域による気温差もあるだろうし、銀座用の「アサルト(突撃)装備」も必要かもしれない。もちろん自宅用と外出用は使い分ければいいし、外出するとなると、だいたい「目指す場所」が存在するものだ。

よって、Place(場所)ではなく、もっと場所を狭めて「Spot(より限定された場所)」か。

Occasion(場合)

例からだと「キモノの集いに参加」。

これが一番難しい。というのも、その人の置かれている状況や立場によってバラバラなので、ここが一番選択の幅が広いのだ。言葉にすれば同じ「銀座」でも、その人の置かれている状況やイメージによって、当然ながら着るものも変わってくる。

例えば、
>Aさんは四国から数年ぶりに上京した。銀座へ行くのは初めて。
>Bさんは銀座のはずれに住んでいて、よく街中(銀座)へ行く。

Aさんにとって東京は数年ぶり、オマケに銀座は初めて。見ず知らずの人もたくさん来ることだし、紋付き袴はないにしても、一張羅は着ていくかもしれない。Bさんにとって銀座は慣れ親しんだ場所。顔見知りも多いし、少しはオシャレをするだろうが、一張羅までは着ていく必要はないと判断するかもしれない。

あるいは、仮に東京都内に住んでいるものとして、
>Cさんにとって銀座のイメージは、「ハイソな大人の行き交う街」
>Dさんにとって銀座のイメージは、「ただの商店街」

Cさんはもっともらしいオシャレをしていくかもしれないが、Dさんはテキトーな和服を着ていくだけかもしれない。

以上を踏まえて、Occasion(場合)ではなく「Situation(状況)」のほうがいい感じだろう。

あれれ〜、なんだか3つとも「S」で始まる英単語だよ(by江戸川コナン)、というわけで和服の場合はTPOではなく、「 Season(季節) Spot(場所) Situation(状況)SSS(トリプルS) 3S(スリーS)」というのはどう?ちょっとSpot(場所)が苦しいが(笑)

汎用ではなく専用

もうわかったと思うが、実はTPOとは、誰でもごく自然にやっていることなのだ。ただ、「場合(状況)」に個人差がある以上、TPOは普遍的なものではなく、和服を着る人の分だけ存在するといっても過言ではない。

よく耳にするTPOは「一般常識、決まり事」と同じような意味で用いられているようだが、実際はその逆で、いつでも誰でもどこでも同じ恰好をするのではなく、いろいろな条件によって着るモノを調整してみませんか?という考えなのだ。

言うなれば、汎用的な着方をするのではなく、専用の着方を使い分ける、ということ。雨の日(解説)、暑い時期(解説)、あるいは冠婚葬祭の礼服(解説)にしても、諸条件を考慮すれば自然と「その人に合ったその状況専用の着方」が見つけられるのだ。

また、TPOと同じように用いられる言葉に「ドレスコード」があるが、これはTPOとは別物だ。ドレスコードは「男性の服装は○○以上厳守で」というように、完全に着る服装を指定するものだ。TPOが暗黙のルールとすれば、ドレスコードは明確なルール、といったところだろう。

ちなみにTPOという言葉、実は1960〜1970年ごろにできた和製英語で、「VAN」という洋服ブランドの創始者である、石津謙介なる日本人が発案者らしい。てっきり明治になってから、外国から伝わってきたドレスコードの簡単な説明だと思っていたよ。
<参考文献「ウィキペディア(Wikipedia)〜TPO」>

おまけ:「キモノの時だけ嫌煙家」はお断り

居酒屋や飲み屋に行くときには、タバコのにおいを気にしなくてもいい和服を着て行くように。飲み屋は大人の社交場、社交場にタバコはつき物だからな。

なに?せっかくのオサレキモノが臭くなるだって?(解説)もしそれを言うなら、今後和服全般に関して、絶対に「江戸時代の粋」などと口にするな。なにせ江戸時代においてタバコは社交辞令であり、だからこそタバコ入れやキセルなど、タバコ関連の小物が発達したのだからな。

ヘビースモーカー万歳!(バカ)一応私はセーブしてあげるよ。いやホント。

Last 2012/01/21. Copyright (C) since 2007 バカガエル.