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今さら人に聞きにくいFAQ:区別編

和服(着物)に関するなんとなく他人に聞きにくい疑問質問のうち、男物と女物など区別や違いについてまとめてみた。これ以外のことも「仕立て方編」「使い方編」としてまとめてあるので、そちらも参照してみてほしい。

着物の袷(あわせ)と単衣(ひとえ)

世間一般?では「袷仕立て=冬物」「単衣仕立て=春(夏)秋物」と言われてるけど、正確には仕立て方で季節モノを表すわけではない。というのも、袷と単衣の区別は「生地が二重になっているか否か」だけで、生地そのものの厚み(薄さ)は含まれていないからだ。

簡単なたとえで言えば、メッシュの生地を二重(袷)にしたとしても寒い時期には着られないし、厚手のジーンズのような生地だと単衣でも暑い時期には着られない、というわけ。

実際に使う上では「季節」で割り振るのではなく、袷仕立て→だいたい寒い時期、単衣仕立て→それ以外、程度に捉えておけばいいかと。こちらでも解説してあるのでどうぞ。

着物の男物と女物の見分け方

違いはいろいろとあって、一番わかりやすいのは袖と胴体の連結部分。右側の女物画像は修正画像だ。

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男物は袖が結構長く縫い付けられているけど、女物は腕の直径?ぐらいしか縫われてなくて、おまけに袋状に閉じていないのでパクパク開いている。これは着物だけでなく、羽織も長襦袢もすべてこういう作りになっている。

なぜこういう作りになっているかと、女性は乳房があるので胸の部分を立体構造にする関係でこうなったと勝手に解釈してるんだけど、本当の理由は知ら ん。さらに言えば、袖が開いてたって男が着てもいいじゃんという意見もあって、ここまでくると完全にオレの手には負えないので、ここは一般論ということで 流しておくれ。

よくある勘違いに「派手な柄物は女物、地味っぽいのは男物」というのがある。これも男物(女物)に地味(派手)な生地の着物が多いというだけで、ちゃんとした区別の方法にはならない。

と いうのも、実は生地の段階では男女の区別は存在しないから。たとえば綺麗な花柄の生地だと「女性が好みそうな色柄」ではあるものの、男性が使ってはいけな いわけではない。早い話、生地の色柄は個人の好み(主観)であって、最終的な仕立て方をどちらにするかで男物女物の区別ができるわけだ。

たまーに「このキモノは女物の生地で作った男物で……」と得意げにしている人がいるけど、そんな着物は事実上存在しない。あるとすれば「女物を仕立て直した男物」なのだ。

温泉浴衣(寝巻き)と普通の浴衣の違い

温泉浴衣には地名やホテルの名前が入っているので間違えないと思うけど、夏場の浴衣との主な違いはこれまた袖の形状だ。

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温泉浴衣は袂(たもと)が存在しない筒状の袖のことが多い。普通の着物のように袖にポケット部分がないわけ。温泉に限らず普通のホテルに備え付けてある浴衣や、病院などで売られている寝巻きもこの作りになっている。

他には、縫い目がかなり表に出ていたり(和裁は基本的に出ない)、襟の幅が着物より少し狭く厚みが薄っぺらい、作務衣のような紐がついている、といった特徴のあるものもある。

ちなみに、普通の浴衣を寝巻き代わりに使っても差し支えはない。逆は……温泉地と近所のコンビニ以外はやめておいたほうが無難だと思うよ。

左前(ひだりまえ)と右前(みぎまえ)

洋服では、男女でボタンのついてる位置などシャツの合わせ方が違うが、和服では男女共通で右手側(身頃)を下にして左手側(身頃)を上に重ねる、洋服でいえば男物の着方をする。強いて言うなら「右前」かな。

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参考画像は、通常の着方(右前)を左右反転させて左前を作ってある。早い話、鏡の中の自分は左前になっているわけ。では逆、左前はダメなのかと言うと、左前の着方は仏教で亡くなった人を弔うときにする死に装束の着せ方だからだ。

現在のバカガエル補足:死装束云々は俗説で、大昔に中国大陸から来た人が右前だったからとか、大昔は左前も右前もあったとか諸説あるらしい。詳しくは知らん。ただ、現在では右前が一般的な着方として定着してるし、微妙に説得力のある俗説もあるし、わざわざ左前にする理由もないので、こればっかりは「冒険」しないほうが無用の混乱も避けられると思うよ。

「手前」の解釈

上記の右前左前に関連して、どちらを「前(手前)」とするかの考え方。左身頃と右身頃の区別は、相手が正面から自分を見た場合の方向らしいけど、右前左前に関しては「和服を見ている人間に近いほうが手前」と解釈すればわかりやすい。

>相手から見れば「右側に見える身頃」が自分に近い=手前だから右前。

>着ている人間から見れば「右手側の身頃」が肌に近い=手前だから右前。

といった具合だ。

なお、ウチのサイトでは身頃と手前の混同を避けるため、着ている人間を基準にあえて「左手(右手)側の身頃」という表記にしている。

扇子にも男物と女物がある?

茶扇子?など特殊な扇子を除いて、基本的にたたんだ時の長さが違う。男物のほうが長い。買うときは一応「男物の扇子下さい」と聞くように。

女物は持っていないので比較のしようがないんだけど、オレの持っている扇子の全長はどれもだいたい22センチなので参考にしてほしい。当然ながら、扇子に描かれている絵柄では区別できない。

衿と襟、どちらが正しい?

たぶんどちらを使ってもOK。発音はどちらも「eri」だし。内側に着るものは「衿」その上に着るものは「襟」だとかなんとかあるのかもしれないけど、そこまで厳密に考えなくてもいいと思うし、オレ自身そこまで詳しく知らない。

なお、ウチのサイトでは襦袢の「はんえり」のみ「半衿」と表記して、それ以外はすべて「襟」としている。

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