Kimono-Wa-Fuku

あとがき

当サイトに目を通していただきありがとうございましたmm

和服推進運動のようなものと一緒にされても困るので、なぜこのサイトをやっているのかという、理由のようなものでも書いておこうかと思います。


ひとつは「和服は誰でも着られる」ことを証明したかったから。

私は和服に縁がある生まれや育ちではありません。社会人になってからも、いわゆる和の伝統文化のような習い事や趣味があるわけでもなく、相変わらず建設現場で働いてるただの「おっさん」です(笑)

普通なら和服とはほど遠い人間であり生活環境でしょうが、実際は、仕事以外は部屋着すらほぼ和服(着物)を勝手気ままに着ている「ヘビー級」なわけで。もちろん薄給ですからたいした和服も持っていません。

和服には高価、手入れが難しい、仕事や趣味など着る人が限られる、といった噂?というか先入観が世間にはあるし、そう思っている人も多いでしょう。

でも私の存在が、それらが思い込みであることの「生きた証拠」なわけでして。

和服を着てみたいけどそれらが障壁になって一歩を踏み出せない人にとって、私の存在がその障壁を突破するヒント?手がかり?になれないかなと、そんな思いがあります。


もうひとつは、現在の和服は危ういと感じるから。

着物を主とする現在の和服は、男物も女物も特別な日あるいはおしゃれな装い用と認識されていることが多く、そういった着方使い方が当たり前のような風潮がある気がします。和装業界や和服愛用者ですらも。

今から100年以上前、昭和初期ぐらいまでは、和服は生活衣料品として多くの人に着られていたわけで、その延長として晴れ着やお洒落着も和服になるのは当然の流れです。それは現在の洋服が証明しています。

ですが現在の和服にはその自然な流れはなく、日本の伝統文化云々といったお題目で、洋服の流れの中の晴れ着やお洒落着部分に途中から乗っかるような 状態です。それは言い換えれば、晴れ着やお洒落着を着る機会がなくなれば、和服を着る人は激減するかもしれない危うい状態でもあります。

残念ながらそれは、2020年に発生したコロナウイルスの世界的感染拡大によって証明されました。外出自粛やイベント中止などの措置が取られても、洋服は日々の生活で今までどおりに着られました。いっぽう和服はというと……夏場の浴衣すら激減でした。

和服を100年以上前の状態に戻す、あるいは現在の洋服と同じにすることは、晴れ着やお洒落着への自然な流れができるとともに、多少の社会情勢の変化ではびくともしない「日本独自の服飾文化」への足がかりになるのではないでしょうか。


以上を踏まえて、個人的な願望としては、イベントや観光地だからではなく、それこそ資料などで見る明治大正の頃のような「洋服姿もいれば和服姿もいる日本の日常風景」を見てみたいです。

洋服ばかりでなければ和服ばかりでもない、そんな世界標準の服装と日本独自の服装が混在している日常風景は、世界有数の先進国ではあれど独自の文化も日常に息づく「世界的にも珍しい国、これぞ日本!」といったところでしょうか。

もっともそのためには、和服に関わる人だけでなく世間一般の和服に対する認識も変わる必要があり、それ相応の歳月、時間がかかるでしょうから、私が生きているうちにその日常風景を見ることは叶わないと思いますけど(笑)


和服を着てみようと思う一人でも多くの人(男性)の参考例となり、それと同時に「和服とはそもそも何なのか?」を考えるきっかけとなりますように。

後に続く人と和服の未来のために。それが、私とこのサイトの役目だと考えます。

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「きもの-わ-ふく」管理人:バカガエル

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