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状況によって襦袢を使い分けてみよう。

着物を着るとなると、長着(着モノの正式名称)や羽織ばかりを気にしてしまいがちだが、襦袢を状況によって使い分ける着方を解説しておこう。ただし、実践するかどうかは各自の判断で行うように。

長着を固定する考え方

襦袢には長襦袢、半襦袢の2種類がある。長襦袢にはさらに袷仕立て、単衣仕立てがあるので、実質3種類あることになる。普通の人は長着と襦袢の所持数だと、ほぼ間違いなく長着の数のほうが多いはず。極端に言えば、単衣の長襦袢1枚に長着数枚、というパターンだろう。

しかし、もし逆だったら……?考え方としてはこんな感じだ。

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私は長襦袢はほとんど単衣しか使わないが、それを「前提として」袷の長着と単衣の長着を使い分けているのが左図の状態。これを逆にして、単衣の長着しか使わないのを前提として、袷の長襦袢と単衣の長襦袢を使い分けるのが右図になる。まあ実際は、冬場になると袷の長着も必要になるだろうが、イメージとしてはこんなところだ。

急な気温の変化に襦袢で対処する。

どっちも同じことのように思うだろうが、よく考えてみると微妙に違ってくる。実用上、その違いがはっきり出てくるのが春と秋、いわゆる「暑いような寒いような」時期。

例えば正絹(衣替え時期の関係もあるので、あえて正絹と指定する)の単衣長着を着ている時期に、急に冷え込んだとする。あるいは、正絹袷の長着を着ている時期に、急に暑くなった、と。

どうする?片付けてあった袷(単衣)の長着を引っ張り出すか?寒い場合には単衣の長着を二枚重ねで着る方法(解説)もあるが、あまりお勧めはできない。

これが逆の場合だと、襦袢をそれぞれ変えてやればいいので、人目につくであろう長着そのものは変化しないことになり、おまけに、表面上(見た目)は季節感を無視した長着を着る必要はなくなるのだ。

このようにそれぞれの用途を分けてやれば、少々の気温の変化に動じることなく、その季節に応じた長着を着られるのではないだろうか。

その他の使い道

気温対策以外にも使い道はある。

単衣の長着対策

これは上で書いた気温対策の応用技。昔と違って羽織を着ることがごく当たり前になってる以上、袷の長着+袷の長襦袢「のみ」という着方をムリにする必要はないと思う。

また、生地の厚さによる違いがあるため、例えばウール生地だと、単衣でも正絹の袷に近い厚さ、温かさになる。よって、ウールの単衣仕立てだと、襦袢をうまく使い分けてやればかなりの時期をカバーすることも可能になるのだ。

半衿の交換対策

襦袢には半衿があり、それを変えることによって見た目の雰囲気もかえることができる。

しかし、着物を着るたびに半衿交換をしていたのではたまらない。手先の器用な人や「毎回交換しないと気がすまない人」は好きにすればいいが、服を着るたびに下準備が必要ではめんどくさい。

そこで、襦袢を複数着用意しておき、半衿もきっちり縫い付けて固定してしまう。半衿の色を変えたい場合は「襦袢ごと変えてしまう」わけ。襦袢は大丈夫だけれど襟に汗染みが……といったときは、襟の部分だけごしごし洗ってやればいい。もちろん丸ごと洗濯してもOKだ。

オシャレ対策

また、襦袢は確かに脱がないと「全体は」見えないが、袖口や裾で部分的には見える。そこに注目してもおもしろい。

これは人に聞いた話だが、その昔「新年の舞」を披露することになって、衣装としては黒紋付き袴を使わなくてはいけなかった。この時、中に着る襦袢の袖に「わざと」濃い緑色を使ったらしい。なんのためかというと、ほんの一瞬だけ長着の袖口から中の襦袢が見えたときに「緑色=松の葉=新年」を表現するためだったとか。

まあ確かに、日舞だからそこまでやるんだろ、と言われればそれまでだが、もし普段でもここまで考えて着ている人がいたら……「オシャレなキモノですね〜」などと、上っ面の見てくれを褒め合いする人の一億倍はすごいだろうな。

Last 2008/10/28. Copyright (C) since 2007 バカガエル.