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実は「和服姿と洋服姿」がいちばん気楽

和服、特に着物を着て外出しようとするとき、「同じ服の趣味だから心強い」と思うからか、特に初心者は、同じく着物を着ている人と一緒に行動しようとすることが多い。確かに、同じ恰好の人と一緒にいれば心強く思うかもしれないが、本当に心強くてなおかつ経験値を上げるのに一役買ってくれるのは、実は洋服を着た友人知人なのだ。

自分も周囲も「和服が当たり前」になってくる。

冠婚葬祭などを除けば、友達は基本的に洋服の普段着を着ているのだから、当然ながら普段どおりの行動をしようとする。ということは、一緒に行動をしているアナタにも、たとえ和服であっても、普段どおりの行動が求められることになる。

急な雨、友達が横断歩道をダッシュして渡ったとしたら?お腹が減って「メシ食いに行こう!」とみんなで焼き肉屋に行くとしたら?状況はいろいろ考えられるが、「今日は和服だから」という理由で、一人だけ友達連中と別行動をすることはできないわけ。

それらが積み重なってくると「和服を着ているから」と、知らず知らずのうちに行動や活動を制限してしまっている潜在的な意識が薄れ、洋服を着ている時と同じように振る舞おうとするようになる。そうなると友達も、「こいつ、和服を着てても普通の行動をするよなあ」と見るので、あなたが和服を着ていることに対して、特に違和感を感じなくなってくる。

早い話が相乗効果というやつだ。アナタも周囲も、和服の存在がどんどん当たり前になってきて、「へえ、和服を着ているなんてカッコイイね」と褒めてはくれなくなるが、誰も珍しがらなくなってくる。「着ているモノの形が違うだけ」といった、単純な認識になるわけ。

なに?和服を着ている時は焼き肉屋へは行かないだって?はは、それは「着られてる」んだよ(解説)そのことに早く気がつかないと、そのうち友達がいなくなるかもな。

和服一人だけなら逆に目立たない。

例えば、5人で行動しているグループがいたとしよう。

4人が洋服で1人だけ和服を着ている場合と、5人全員が和服を着ている場合とでは、どちらがアナタの注意を引くだろうか?どちらも注意は引くだろうが、5人全員が和服を着ているほうが、インパクトはでかいはず。

結局、洋服を着た人らと行動したほうが、見た目のインパクトは小さくなり、ジロジロ見られるようなこともなくなるわけ。洋服姿にまぎれこんでしまえば、アナタ一人が和服を着ていても、実はあまり目立たないのだ。裏を返せば、「中途半端に集まっている」のがいちばん目立つわけ。

「キモノの集い」に関しての私見

集まると言えば、各地で「キモノの集い」のようなものがたまに開催されているのを知っている人もいるだろう。

これに関して私なりの見解を述べると、特に着物を着始めたばかりの人は、機会があれば「1回だけ」参加してみてほしい。自分以外にも着物を着ている人はたくさんいる→普通に着ていても大丈夫なのか!と、かなり安心感?が生まれるはずだ(解説)

そのかわり、その安心感を得るための「1回だけ」で充分、それ以降は特に参加する必要性はないと私は思うが、最終的にどうするかは個人の判断にまかせよう。

和服経験値稼ぎの場「飲み屋さん」

ところで、人間とは不思議なもので、他人に見られていると思うとちょっとした身だしなみやオシャレを気にするようになる。それが悪い方向に作用して、人目や和服を着ていることを意識しすぎることを改善すればいいのだが、それを逆に利用して、一気に和服の経験値を稼ぐ場所がある。

それは大人の社交場「飲み屋さん」!ビバ酔っぱらい(違う)!

ただし、飲みに行くといっても、友達と大きな居酒屋などに行くのではあまり効果がない。簡単に言えば、「メシを食う」場所はダメだ。広い店舗ではなく、なるべく従業員とマンツーマンのような状況になる場所、バーやスナック、クラブ(踊る「クラブ」ではない)、小料理屋、といったところだな。

なぜそんな場所がいいのか?これにもちゃんとした理由がある。

先ほど書いたように、広い店舗やメシを食う場所、あるいは屋外では、他人の視線は散漫的で、いくらあなたが和服を着ていても、注視されることはまずない。これが小規模な飲み屋さんだと、他のお客さんや従業員の視線が、長時間あなたに注がれる状況が非常に起こりやすく、これを利用してレベルアップさせるわけだ。

ボロボロになるのを覚悟して、RPGならモンスターが大量に沸いてくるところに突っ込ませる、英会話なら喋れないのを承知で外国へ単身渡航するようなものだな。

実況:ミサトさんが勤める飲み屋

では実際に再現してみよう。よくある飲み屋さんの風景を思い浮かべてみてほしい。

第一段階:ミサトさんの視線

友達と飲み屋さんにやってきたアナタは、カウンター(ボックス)席に案内される。

ごく普通に、馴染みの従業員ミサトさん(CV:三○琴乃)が、接客のために「いらっしゃ〜い」とあなた達の前へやってきた。まずここであなたは、接客をしてくれるミサトさんの視線にさらされることになる。

「○○さん、今日は着物なんか着て、なにかあったの?」

もし初めて和服を着ていったのならなおさらで、ミサトさんは、必ずアナタが和服を着ていることを聞いてくる。なにせ「お客さんを観察する」のは、飲み屋での接客の基本だからだ。

第二段階:他のお客さんや従業員の視線

次に、ミサトさん以外の従業員や他のお客さんも、アナタを見るつもりはないにしても、狭い店舗だから、視界の中に入ってしまうのはまず間違いない。

その中に馴染みのお客さんがいれば、ミサトさんと同じく必ず聞いてくるだろう。
「久しぶり!和服とは渋いもの着ているね(CV:石○章)」

見ず知らずのお客さんから聞かれる可能性も充分ある。
「和服を着ていますが、そういったお仕事をされているんですか?(CV:緒○恵美)」

当然無視するわけにもいかず、アナタは自分の言葉で返答しなければいけなくなる。もっとも、見ず知らずのお客さんとの会話は、意外な人との出会いを生むこともある(解説)もう他人の視線から逃げられないぞ。覚悟を決めろ!(CV:立○文彦)

おまけ:人前での立ち居振る舞い

ちょっと酔っぱらったアナタは、「和服を着ている」というかしこまった気分がだんだん薄れてきて、洋服を着ている時とかわらない、いつも通りの立ち居振る舞いをしようとするだろう。トイレに行く回数も増えるからトイレの練習もできるし、鏡もあるから、ちょちょっと胸元を整えるなど、身支度を整える仕草も自然とするようになるはずだ。

飲みに行く人とほとんど行かない人では、おそらく和服の慣れ具合にかなり差が出てくると思う。最悪、酒が飲めないというのなら、スーパーなど、なるべく逃げ道のない閉鎖された空間へ行ってみるように。

まあ私としては、男の子なら飲まず(飲めず)とも、ちょっとした酒の付き合いぐらいはやってほしいと思うがな。

Last 2011/03/31. Copyright (C) since 2007 バカガエル.