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和服でも、外出時には気温と室温を考えて

外出時にはどういった着方(組み合わせ)をするのがいいのか、着物の色柄や品質などの見た目は各自にまかせるとして、実用的な部分を解説しておこう。最大のポイントは「外の気温≠室温」ということだ。

現代の生活環境は「常春」が可能

現代の生活環境では、昔の教え?に従って特に冬場に着物を着ようものなら、間違いなく発汗作用全開(解説)になる。なぜなら、昔の生活環境と現代の生活環境では、あまりにもその場その場の「温度」に違いがありすぎるからだ。

現代では、住居の気密性向上、空調設備の充実、交通手段の発達など、あらゆる場面で「快適に過ごせる空間(温度)」を作り出せるようになっている。極端な話、真夏なのにクーラーが効き過ぎればブルブル震えるし、真冬でも暖房をがっちりかければパンツ一丁でも過ごせるだろ?

今では当たり前のようになっているが、それこそ昭和初期、はたまたそれ以前の江戸時代云々の人から見れば、「ビバ極楽浄土!」と思いかねないぐらいのすばらしい環境なのだ。

それは言い換えれば、昔に比べて外気(温)をほぼ完全にシャットアウトできる=外気温とは無関係な状況になりやすい=室温と外気温との温度差も格段に大きくなっているわけ。時代劇などで見かける「着たまま脱がない」着方では、対応しきれない状況が頻発することになるのだ。

よって、現代の生活環境を考えた冬場の着方としては、「長着(着モノの正式名称)や襦袢は室温ベースにして、その上から羽織やコート、あるいはマフラーや手袋などの小物も使って外気温対策」というスタイルが便利。ちなみにその逆で、夏場は極力薄着をするだけだ。

着物と襦袢は脱げないので厚着に注意

暑いからとズボンを脱ぐ人がいないのと同じで、長着と襦袢は自宅や宿泊先などへ帰るまで脱ぐことができない。冬場だから、あるいは○月だから、などとお出かけ先の空調が効いた室温を無視して袷仕立てなど外気温基準にしてしまうと、とんでもないことになる可能性がある。

よって、気温の違いを考えた上に個人の身体能力(暑がりなど)を加えて、長着と襦袢についてはあまり厚着をしないほうがいいだろう。特に襦袢は表面上見えないので、単衣仕立て、あるいは半襦袢でもかなりの季節で着られると思う。

もちろん襦袢は必須項目ではないので、私の地元を走っているポンコツ路面電車の名前になった人のように、普通のシャツを着るのもアリ。状況によっては長着の下は肌着だけでもOK(解説)なので、ここらへんは個人個人のセンスで自由にすればいいだろう。

当然ながら、袷の長着や襦袢で丁度いい、というのならそれで問題なし。地域差や個人差は絶対存在するし、ないほうがおかしいからな。

ちなみに袷仕立てと単衣仕立てだけではなく、実際はこれに生地そのものの厚さが加わることになる。例えば普通のウール地の単衣仕立てなら、正絹の袷仕立てに近いと私は思う。室温を考えると、冬場でも結構いい具合なのだ。

羽織はジャケットやジャンバー感覚で

羽織は長着と100%セットというわけではない。ちょうどいい気温、あるいは暑いのなら着なくてもいいし、長着と襦袢だけだとちょっと寒いかもしれないから一応羽織を着ておく(持って行く)、でもいい。ちなみに、羽織を着ずに長着だけ着ている状態を、世間一般では「着流し(解説)」という。

また、羽織の袷仕立てと単衣仕立ての区別だが、あまり深く考えなくてOK。持っている人はもちろん使い分ければいいが、袷の羽織しか持っていなくても、「ジャケットだから」と割り切ればそんなに気にする必要ない。羽織を着ているとなかなか脱がない人がいるが、羽織を着たら脱いではいけない!などという道理は存在しない。

暖かい部屋に入ったらスーツだって上着を脱ぐだろう?その時々に合わせて、適当に着脱するのがホントの着方だろう。

意外と便利な袖なし羽織

私的感想だが、春や秋のビミョーな気温室温のとき意外と重宝するのが、普通の羽織から袖を取り除いた(だけではないが)袖なし羽織だ。普通の羽織を着るほどではないがちょっと肌寒いかな?という時に便利。もちろん暑くなれば脱いでしまえばいい。

冬場はコート(角袖)の下に普通の羽織ではなくこれを着ると、袖がない分袂(たもと)がモサモサ?しないし、室内ではコートを脱げば意外とちょうどいい体感温度だったりする。

Last 2010/07/12. Copyright (C) since 2007 バカガエル.