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着物の衣替えをする目安

着物を着るようになると、季節の変わり目にふと頭をよぎるのが「衣替え」だ。洋服の場合、会社や学校など制服?がある程度決まっている所では、だ いたい6月と10月(地域による)に衣替えなんだけど、着物にも一応それらしい「シフト」が存在する。

ただ、このシフトは正直言って「融通が利かなさすぎる」とオレは思うので、自分なりに目安を決めて衣替え(と呼ぶほど大げさなものでもない)をするようにしている。というわけでそれらを解説しておこう。

なぜ「シフト」ではうまくいかないのか?

まず最初に、着物で言われている衣替えのシフトってどんなものかというと、

「6月からは単衣、7〜8月は薄物、10月〜5月は袷」

なんだとか。これから着物を着てみようって人は「へーそうなんだー」とこれを守ろうとする(オレも最初はそうだった)かもしれないけど、少し着物を着るようになってくると「こんなの絶対無理だろ!」に変わってくると思う。だってこのシフトのままだと、

#このシフトがいつごろ制定されたのかが不明。この月区分は旧暦?新暦?

#羽織、長着(着モノの正式名称)、襦袢、それらを全部変えなきゃいけないのか、それとも長着だけでいいのか、どれのことを指してるのかが不明。

#月が変わると同時に気候も急激に変化するわけでもなければ、毎年同じ変化をするわけでもないのに、それに対応するための移行期間が存在しない。

#日本列島は南北に長く、同じ月日でも気候(気温や湿度)は地域によって変わるのに、それを完全に無視している。さらには人によって暑がり寒がりなど体質の違いもあるのにこれまたガン無視。

#すごく昔に制定されたものだと、今と昔では生活環境(交通機関、建物の機密度や空調、地面の整備状態など)がかなり違っており、それが考慮されているかどうか不明。

などなど、考えれば考えるほど「あてにならないシフト」とわかるはず。そしてトドメの一言を言えば、

「少なくとも日常において、このシフトに法的拘束力はない」

というわけ。もちろん、このシフトを意識して着るのもその人の自由なんだけど無視するのも自由、オレは後者で、着物を着る上で無理しなくていいように、自分ルールでやることにしたんだよ。

とりあえず暑い(寒い)を基準で着ればOK

というわけで「どんな時期にどんな着物を着るか」は、単純に暑い(寒い)を基準にして決めればいいんじゃないかな。特に着物を着始めたばかりの人は着慣れるのが最優先なので、あまり深く考えなくていいかと。

例えば単衣仕立ての長着をメインに考え、単衣仕立てでも寒くなれば袷仕立て、普通の単衣仕立てで暑くなれば薄物、とか。羽織を持っているなら、それも組み合わせてやればかなりの時期をカバーできるはず。

夏の長着や襦袢(薄物)は取り扱いがめんどくさいので、素直に 浴衣だけでもいいし、着物にこだわらず、作務衣や甚平など和服全体で考えてもいい。

いきなり何十着も買うわけではないのだから、自分の持っているものの範囲で暑くないよう寒くないよう無理せず着ればいいよ。持っていないのなら無理せず「着 ない」を選ぶのも着物を着慣れる上では大事なこと。

オレも着物を着始めたころは「とにかく着物を着たい!」って考えが先行して、滝のように汗流しながらとかガタガタ歯を鳴らしながら着たこともあったけど、昔の自分に言えるなら言いたいよ「おまえバカだろなにやってんの?」って(笑)

無理して着物を着てもなんもいいことないよ。自分が快適に過ごすのを優先しておくれ。

自然の変化を元に「自分の目安」を作るのもアリ

そのときの暑い寒いでやれるにはやれるんだけど、持ってる着物が増えてきたり、ちょっと洒落た着方をしてみようと思うなら、そろそろ夏物を出そうかなーとか、もう冬物は片付けに入るかなーとか、季節が移り変わっていく「目安」を意識してみるのもいいと思う。

季節は、日付という「人間の法則」で変わるのではなく「自然の法則」によって移り変わっていくので、例えば自分の身の回りにある自然の変 化を取り入れてみるとかどうだろか?

桜の開花宣言、梅雨入り梅雨明け、紅葉の始まりなど、テレビのニュースでも流れるから誰でも目にしやすいだろうし、あるいは もっと身近な、近所の公園の草木の変化でもかまわない。

これの利点は、例えば桜の開花が「毎年必ず全国一律3月○日」ではないように、自然の変化はその年ごとあるいは地域ごとに微妙なズレが発生するので、衣 替えの基準を年ごと地域ごとに修正することができるんじゃないかな。

「そろそろ10月だから袷の準備をしよう」よりは「紅葉が始まったようだから袷の準備をしよう」のほうが、季節とともに着るものを変えていく感があるでしょ?

自分ルールの衣替え参考例

ちなみにオレの大まかな目安は以下のような感じ。ただしこれは「長着のみ」の表なのと、先ほど書いたように襦袢や羽織の組み合わせ(未使用含む)、地域差、個人差によってある程度変わるので、あくまで参考例ってことでよろしく。

表1:使用可能期間棒グラフ

1年を通じてのおおまかな着用可能時期の棒グラフ。詳細は下の表2を参照。

破線の部分は、持っていない種類の長着あるいは持っていても使っていない長着だけど、おそらく使えるであろうという勝手な予想。あと、ウールの薄 物はサマーウールを指しているのと、夏場の木綿長着は個人的に浴衣とほぼ同じと捉えているけど、浴衣を薄物と考えるなら水色の線がいいかと思う。

現在のバカガエル:生地問わず袷は12月〜4月いっぱい(後半は襦袢未使用含む)、綿(木綿)の単衣(浴衣含む)は襦袢や羽織の組み合わせ方で通年OK、ウールはだいたい同じ、化繊は夏場注意。

表2:衣替えの基準となる気候(自然)の変化

表1の色の変わり目の詳細。オレンジ色の字は推測(後述)。

ウールのみ表中ではサマーウールが着られる時期を記載しているけど、春の着始めと秋の着終わりはかなり適当。梅雨明けは「真夏日連続 3日」と解釈しておくれ。

現在のバカガエル:言葉にはしているけど厳密に考える必要なし。桜が咲き始めた→そろそろ衣替えしよかな、といった考え方でもいいかと。

表の解説

例えば化繊の長着の場合、A図からすると「4月初旬」に袷→単衣(オレの場合は袷を着るのをやめる)となっているけど、実際は4月初旬ではなく B図の「桜が満開」が基準だ。

オ レが今住んでる地域では毎年「だいたい4月初旬に桜が満開」となるからで、仮に桜が満開になる時期が前後にズレる年があれば基準も同じようにズレることに なる。他地域の人が「桜が満開」を基準にしたとしても、東北や北海道の人は「4月下旬」九州南部では「3月下旬」になることもあるってわけ。

また、これらの表は「この日を界に衣装チェンジ!」という意味ではなく、その前後数日〜1週間程度を移行期間とする「目安」と考えておくれ 。もちろんタンスに収納するのはいつだって問題なし。

いくらオレでも持ってる着物はしれてるので、全ての生地の着物を完全に検証することはさすがに無理なので、最後の「煮詰め」は各自が行ってほしい。スマンな (汗)

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