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着物で正座をするときのコツ

着物で正座をするときにオレがやってる動作を解説。なお、正しい正座講習?は受けたことがないので、作法がどうとかってツッコミはなしの方向で。

ちなみに参考にするなら、正座のプロ?である落語家さんの動作がいいかと。独演会などを観察してもいいし、ツテがある人は聞いてみるとか。

足に尻を「はめ込む」

まずは下の2つの参考画像を見比べてみてほしい。足の組み方が間違っているとかではなく、ポイントは矢印(かかと)の位置。

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左側のように「かかとの上にお尻が乗った状態」の正座だと、体重がかかって、かかとでお尻部分の縫い目を左右に引っ張るような感じになる。そのせい で縫い目が広がってしまったり、縫い糸や生地が弱ってると、縫い目が裂けてしまうかもしれない。

右側のように、あらかじめかかとを外へ開けた形を作り「かかとの間におしりをはめ込むような状態」にすれば、左右への引っ張り=お尻部分の縫い目へ の負荷を軽減することができると思う。

「居敷当て」も効果あるかも

単衣仕立ての長着(単語解説)の場合「居敷当て」がついてるものがある。これがあると、構造上、縫い目への負荷を少し減らせるような気がする。比較検証したわけ じゃないけど。

なのでオレは、単衣の長着の仕立て直しを仕立屋さんに依頼するとき、居敷当てがついてない長着については、新しくつけてもらうようにしてる。

正座の動作の解説

では実際にどうやって正座をするか、画像で解説してみよう。まずは中腰の姿勢を作り、右手で(着物を着ている方向が右前だから)さっと裾を整える。

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きっちりやる必要はなく、ぐちゃぐちゃにならない程度でOK。長着の裾がかかとにひっかかることもあるので、右側の画像のように、左手でひざ裏に長 着を入れてやってもいい。

それができたら、そのままひざをつく。

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画像では脚(ひざ)を揃えてるけど、無理に揃えずとも適度に開いててOK。

そしてここがポイント。いったんひざのほう(前)に体重をかけ、足を宙に浮かせるような感じで足を組む(重ねる)。

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画像では、わかりやすいように露骨に足を持ち上げてるけど、要は足を組めればいいだけなので、ほんの少し持ち上げただけで充分かと。

撮影上その体勢を維持するために手をついているけど、実際は手をつくほどバランスも崩れないと思う。不安なら手をついてもいいし、テーブルなどがあ れば持ってもいい。

あとは、かかとの間におしりをはめ込めば完成。

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簡単に言えば、勢いで一気に正座をするのではなく一度座り直すような感じかな。

袖の処理

以上で正座自体の解説はおしまいだけど、おまけのちょいテクもある。

下の画像を見比べてほしい。左側の画像と違って右側の画像は、長着の袖というか袂(単語解説)がひざの上に乗っかってしまっている(画像は大げさにやってます、はい)。

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必ずこうなるのではなく、こうなることがあるぐらい。これが悪いってわけじゃないけど、どうせなら袂が乗っかることなく、両脇にあるほうがビューリ ホーな感じかなと。

というわけで、正座をして終わったら、軽くでいいので手を横に伸ばして袂を広げ、そ れから前へ持ってきてやる。

これで確実に左右の袂が両脇へ落ちる。

この動作は時代劇、特に袖丈が長めの衣装でよくやってたような。現在の男物の袖丈はそこまで長くないので、気になる人はやればいいかと。

羽織の裾の処理

羽織を着た状態で正座をするときには、羽織の裾に注意しておかないと、足とおしりの間に羽織 の裾を巻き込んでしまうことがある。

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巻き込んでしまうと、羽織がなにかに引っかかってるというか、後ろ(下)に引っ張られるような状態になってしまう。

これを防ぐためには、正座でひざをついた段階で、羽織の裾を後ろへ広げてやればいい。いったん座ったあと、おかしいようなら直すのでもいい。

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両手を羽織の裏側に当てるような感じで、一気にバッと後ろへ跳ね飛ばしてやる。ついでに袂も跳ねてやれば、袂もいい感じで納まるかと。

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足(足袋)の裏も羽織の裾で隠れるので一石二鳥。

この動作は正座だけでなく、胡座や椅子に座るなど、とにかく「座る」全般で使える。

胡座(あぐら)のワンポイント

男性の場合は、正座より胡座をかくことのほうが日常では多い。ただし着物で胡座をかくと、長着の裾が絶対に少々はだける。こればかりは座り方の性質上どうしようもない。

ただ、胡座をかいて座ろうとするとき、長着の前部分のひざ〜ひざ下あ たりを、手で軽く内側へ押さえながら座れば、必要以上にはだけなくはなるかと。

なんなら、押さえるのではなく軽くつまんでもいいかと。あとは座ってから、ちょいちょいと直してやればいい。男の子なんだし、股間が丸見えじゃなけりゃ多少は適当で(笑)

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