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着物の着方の補足説明

着物を着るとき、知っておけば良い具合に着られる(かもしれない)チョイテク?のようなものをいくつか説明しておこう。

着崩れは誰でも必ず起きる。

結論を先に言うと、どんなに着物を着慣れた人であっても、着物を着て動き回っていれば大なり小なり着崩れは必ず起きる。例外は、写真撮影のように着物を着て「フリーズ」する場合のみ。

言い換えれば「着崩れゼロ」の着方は不可能なわけ。

これはなにも着物に限った話ではなく、多くの人が着慣れてるであろう洋服も一緒。一度着たら家に帰って脱ぐまで「いっさい服装を手直ししない」ってほぼ無理でしょ。

だから、着崩れを起こすのは恥ずかしいことでもなんでもない、むしろ「起きて当然」のことであり、着崩れしても「手早く直せるようになればいい」わ け。心配しなくても、これまた洋服と同じように着物を着慣れていけば着崩れの頻度や程度は下がってくるし、着崩れに気づいたり直したりするのもさっさとで きるようになる。

もうひとつ付け加えるなら、人目を「過剰に」気にしないこと。

そもそも着崩れは、最初からだらしない着方をしているのではなく、それなりに身支度を整えてたけど動いてて部分的に崩れただけの全体的にはある程度整ってる状態。帯の結び目が解けてるなど大掛かりなものでなければ、他人から見てもほとんどわからない。

それに、いくら着物を着てるからといっても、他人様はそこまであなたの服装に興味がない。着崩れしてるかどうかなんてもっと興味がない(笑)着ている自分が違和感がないのなら気にするほどでもないってわけ。

(長)襦袢を使用するときの注意点

長着(着モノの正式名称)だけでなく(長)襦袢を使用するとき、以下の点に注意してほしい。

ただし、着方として間違ってるとまでは言えず、あくまで見た目の問題なので、いわゆる儀礼的な場や礼服ならともかく普段着日常着の範囲であれば、どこまで気にするかは個人の判断ということで。

頭で判断するより実際に(わざと)やってみて、鏡で見てみるなど自分で確認してみればいいかと。ちなみにオレはどちらも「ならないようにしている」。

長着の袖口から襦袢の袖が出ないようにする。

これは特に古着を買ったときなど、長着より襦袢の裄丈のほうが長い場合に起きやすい。言い換えれば、長着より襦袢の裄丈のほうが短いとまず大丈夫。

ただし、正確には袖幅も関係してくるので、襦袢の裄丈のほうが僅かに短いはずなのに襦袢の袖がなぜか出る場合は、襦袢の袖幅が長着のそれより長くなってる可能性が高い。

応急処置として襦袢の肩をたくしあげて安全ピンで止めるという方法もあるけど、あくまで応急処置ということで。

襦袢の襟の合わせ目から肌着が見えないようにする。

これは襦袢の下に丸首のシャツや肌着を着た場合に起こりやすい。丸首の首回りはU首のそれに比べてかなり首のほうまであるから。

シャツや肌着ではなく肌襦袢を使用している場合も同じで、肌襦袢の襟は基本的に出さなくていい。もっとも、肌襦袢は襟幅がないのでおそらく出ないはず。

腰紐や伊達帯を使わずに着る。

襦袢と長着の着方の解説では一応腰紐(伊達帯)を使っているけど、これらは補助のようなものなので、必要がなければ使わなくても問題ない。

慣れてしまえば襦袢と長着を着た状態から、パンパンホイホイと連続動作で重ねて帯を締めてかんせー、とすることもできる。

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ちなみにオレは腰紐も伊達帯も使わず角帯だけで着てる。袴のときももちろんそう。ただし兵児帯で外出するときだけ、兵児帯だけだと締める力が弱い気がするので伊達帯をしている。

角帯周りのシワ取り

角帯を結ぶと上下に若干のシワができる。特に体の前で結んで後ろに回した場合、長着が引っ張られるので結構シワが入っているはず。

これを消すには、どちらかの手で帯と長着が動かないように押さえ、もう一方の手の親指(他の指でもいい)を長着と帯の間に差し込み、そのまま帯の上部に沿って反対側へスーッと動かしてやればいい。

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「どちらかの手」としたけど、どちらの手にするかはシワの向きによる。参考画像のシワは左方向(実際は右手側)に引っ張られてできているので、その方向の手=右手で帯と長着を押さえてるわけ。

下側も同じようにしてやればいい。

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着た直後以外でも、動き回ってちょっとシワができたかな?と思えば簡単にすぐできるので憶えておいてもいいかと。

長着の胸元の開き具合調節

長着の胸元の開き具合は、開きすぎても締 まりすぎてもイマイチ、半衿も見えすぎず隠れすぎず、ぐらいがいいかと。どれぐらいがいいかは個人の好みだけど、締まりすぎてると感じるときは調整方法がある。

長着の胸元(襟の合わせ目)に指を突っ込み、少し前へ出すような感じで合わせ目を下げてやればいい。下げすぎると開きすぎてしまうので注意。

正確には合わせ目を下げるのではなく、長着を少し引っ張って上半身に余裕をもたせてやる感じ。長着の着方で「少し斜め上にもってくる」と解説しているのは、胸元が絞まりすぎるのを防ぐためでもある。

左側が下げる前、右側が下げた後。バランスはお好みでどうぞ。

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ただ、動き回っているとある程度は胸元が勝手に開くので、着た直後の状態でベストの開き具合に調整するのはやめたほうがいいかも。逆に開きすぎる場合は「襟留めピン」という開くのを抑える小物もある(解説)

なお、普通に着ると胸元がYシャツのようにかなり絞まる場合は、長着の身幅が自分に合ってなくて大きすぎる可能性もある。思い当たる人は長着のサイズを確認してみるのも忘れないように。

「股割り」をする。

着物の前部分は生地が重なってる(長襦袢を着ているとなおさら)ので、そのままだと生地の摩擦?で少々歩きにくい。そこで、着物を着て終わったら一度左右に足を開いてやる。これが「股割り」というやつ。

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これを1回やっておけば、後はスムーズに裾がバラけて問題なく歩けるかと。おそらく生地同士の間に空気の層ができて摩擦が減るとかじゃないかな、知らんけど。

要は生地同士が密着してるのを離せばいいだけなので、他にもやり方はあると思う。

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