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浴衣(ゆかた)について

オレの考え方では着物と浴衣を分ける理由はない(後述)んだけど、現状は主に夏場に着物とは別枠で売っていることが多いので、ひとまず分けて解説し ておこう。

同じようなので「ねまき(寝巻き)」があるけど、これは和服版パジャマのようなもので、形は似ているものの浴衣とはちょっ と違う。少しだけ解説。

浴衣の良いところ

正直に言うと、着物を着始めてみようという人に一番オススメなのがこの浴衣。手頃な価格で種類も豊富で着るのも簡単という、着物の「お試し」には もってこいのシロモノだから。

いろんな店で手頃な価格で新品が売っている。

既製品(プレタなるものもこれ)の浴衣は着物屋はもちろんのこと、シーズンになれば大手スーパーや量販店などでも取り扱ってて、普通の長着(着モノ の正式名称)に比べてとにかくお手頃価格、おまけに古着ではなく当然ながら新品だ。

店舗だけでなくネットでも探せば、既製品なら単品からフルセットまで数千円から一万円程度で売っているのはザラ。ちょっとがんばって着物屋で仕立て るにしても、浴衣用の生地は1万円ぐらいであるんじゃないかな。

あと聞いた話で、最近の浴衣は生地の織り方が密(隙間がない)になってるものも多く、それだと浴衣といえど思ったより暑いらしい。生地を見た感じ、 織っている糸が見えるぐらいの浴衣のほうがいいとか。

詳しくは各店舗に各自問い合わせしておくれ。

色柄の種類が豊富

色柄の多さもポイント。若い子が好きそうな派手目 の色柄から、オレのようなおっさん連中の着そうな落ち着いた色柄までなんでもある。どういった色柄がいいかはこれといった基準もなく単純に着る人の好みな ので、どれでもお好きなのをどうぞ。

ただ、その浴衣を夏場以外でも着ようと考えてる人は、夏をイメージする色柄、例えばベースの色が薄いブルーだとか、柄が金魚やスイカだとか、そう いったのは避けたほうがいいかも。

最低限なら帯を締めるだけでいい。

最低限であれば、浴衣を着て帯を締めたらそれでかんせー。着方や帯の締め方も着物と同じでかまわない。襦袢(肌襦袢)や足袋はなくても問題ないし、 肌着を着ずに下着のみでもOK。

ただし一応言っておくと、好みで襦袢や足袋を使ってもかまわない。暑いから襦袢や足袋を使わないほうが涼しいんじゃね?というだけで、浴衣に襦袢や 足袋はアウトという意味ではない。ちなみにオレは、夏場はさすがに暑いので浴衣に限らず襦袢は着ないけど、肌着やステテコは着るし足袋も履くことが多い。

その他

着付け着方や帯の結び方の練習から、自分サイズの把握、動き方や所作など、着物に関する基本的なことが浴衣でほとんど実体験できるので「お試し 着用」にはもってこい。

着物のように何万何十万円もするものじゃないので、値段にビクビクしながら着るようなことはなく、気軽に着ることができると思う。逆に「やはり着物 はオレの好みじゃないなあ」と着る のをやめるにしても、金銭的な痛手は最小限に抑えられるかと。

着物を着ていると目立つしなあと尻込みする人も、夏場はシーズン的に周りにも着ている人がいるし、そうやって出歩くことで人目にも慣れる(解説)ことができるかなと。

寝巻きってなに?

浴衣に似ていて実は違うのが「寝巻き」。実物はオレももう持ってないから現物を知りたい人はネットで画像検索なりしてみておくれ。

冒頭で「和服版パジャマ」と書いたように、これはもう室内用就寝用なので基本的に外では着ない。買う場合はよほどのことがない限り「寝巻 き」として売っているので大丈夫。逆に浴衣か寝巻きかどっちつかずの場合は注意したほうがいい。

浴衣との違いは、甚平や作務衣のように内側に紐が付いてたり、それと同じ色柄の生地の腰紐(のようなもの)が一緒にあったり、裏地としてガーゼ生地 が縫い合わせてあったり、もううろ覚えなんだけど袖の形が幅の広い筒状になってたような。

用途上、生地は綿生地以外はないので、生地の種類が綿以 外(が混じっている。例えば綿麻とか)ならほぼ寝巻きではない。

浴衣の使い分けなど

浴衣を着てみようとしたとき意外とつまづくのが「いつからいつまで着ていいのか」「どんなときに着ればいいのか」なんだけど、結論から言うと、儀礼的な状況(フォーマル、礼服)以外ならいつでもどこでも着てOK。

というのも、現在浴衣として市販されているものは、生地が綿や綿麻で色柄が派手なのが多いだけで、普通の長着と構造はほぼ一緒(解説)。だから「色柄の好みは人それぞれ」とするなら普通の長着と一緒、夏以外に着て も問題ないってわけ。

ただ、夏場によく売り出されることからわかるように、夏っぽい色柄の生地であることが多いので、それを着て出歩くなら季節は考えたほうがいいだろう し、くだらない難癖をつけられたくないなら、夏場メイン(7〜8月いっぱい)で着ればいいだろう。

もっとも、それは外出用として着る場合なので、人目を気にすることのない家の中で着る分には関係ない。

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