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袴着用時の角帯の結び方:一文字結び

袴をはくときにする角帯の結び方は、装着方法を考えると使い勝手がいいので、今のところ(←重要)私はこの「一文字結び」にしている。その結び方を解説しておこう。

この結び方は少々特殊なので、慣れるまでは「手」と「垂れ」の長さのバランス調整が難しいと思う。最初の「手」の長さを毎回同じ長さ(位置)にすることができれば、ある程度「垂れ」の余り部分の長さも決まるのだが、1回結んで締める位置や、締める力加減によっても「手」と「垂れ」の長さは変わってくるからだ。

一文字の長さや形状が気に入らなかったら、結び目を少しゆるめ左右に結び目をずらしてやれば、相対的に「手」と「垂れ」の長さバランスを変えられるので各自調整してほしい。

また、角帯の長さが変われば「手」と「垂れ」のバランスも変わるので、なるべく同じ角帯を使ってやったほうが慣れやすいだろう。実際に私は、この画像で使用している角帯を袴(一文字結び)専用にしている。

普通に回して一度締める。

この結び方は私も後ろ手で結ぶことができないので、前で結んでいる。

[1-1]まずは「手」の長さ(位置)を決める。この結び方に必要な「手」の長さの目安は、私の場合はだいたい腕を90度+@に曲げたぐらい。腕の長さや個人の好みもあるだろうから、何度かやってみてちょうどいい長さを探してみてほしい。

[1-2]「手」の長さを決めたら、普通と同じようにぐるぐる巻いていく。この結び方は、「垂れ」の余り部分を最後に始末する=角帯の長さを最後に調節するので、途中で貝の口結びのように折り返しはしない。普通の締め方と同じように、3周(短い人は2周)させてOK。

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[1-3]回して終わったら、「手」と同じように「垂れ」側も半分にV字に折る。[1-4](拡大図)別に半分に折らなくてもいいのだが、ここで一度結んで締めるので、結果として半分に折った状態になる。

[1-5]続いて、半分に折った「垂れ」の上に「手」を重ねる。この結び方は、「手」の上に「垂れ」を重ねる貝の口結びとは逆、神田(駒)結びと同じ重ね方だ。

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[1-6]「手」を「垂れ」の下から通して上へ抜く。「垂れ」を「手」で巻くような感じだ。私は都合がいいので「手」を折り返すが、別にそのままでもいいと思う。[1-7](拡大図)

[1-8]通したら、「手」をななめ上、「垂れ」をななめ下にして、荷物の紐を締める時のように一度ぐっと締める。

ここでしっかり締めておかないとお話にならないのは、貝の口結び(解説)でも述べた通り。締めた後、「垂れ」を反対へ折り返す(この後の後始末が左右逆になる)方法もあるが、私としては特に支障がないので、折り返さずこのまま次の手順へ進んでいる。

「垂れ」の余り部分の後始末

では「垂れ」の後始末をしていこう。

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[1-9]半分に折っていた「垂れ」の余りを広げてひとまず元に戻し、[1-10]角帯の内側(裏側)に向けて折り返す。

折り返す長さは、袴の腰板の底辺の長さよりちょっと短めぐらいがいいだろう。画像での折り返しを測ってみると、腰板の底辺は約20センチに対して、だいたい16、17センチだった。当然ながら、いつも測って折り返しているわけではない。

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[1-11]さらにもう一度折り返す。この折り返し部分には一応役目?があるので、せめて2回は折り返したい。[1-12]まだ折り返せるようなら、結び目の根本付近にくるまで折り返す。

私がこの角帯を使う場合、3回「均等に」折り返せば結び目の根本近くまでくる。結び目の根本まで完全に折り返す必要はない。1、2センチほど余裕があっても大丈夫だ。

なお、均等に折り返すと余裕がかなりできる、あるいは短く折り返さないと根本までこない場合は、最後の1回だけ腰板の底辺の長さよりちょっと短めで折り返すなど、折り返す長さを微妙に変えればいい。

[1-13]折り返しが完了したら、「垂れ」を再びV字に折り、

[1-14]折り返しが重なっている部分と重なっていない部分の境目から、結び目方向に折り返す。これで「垂れ」の後始末は完了。この折り返した部分の形状から「一文字結び」と呼ばれるわけだ。

「一文字」と結び目をひとくくりにする。

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[1-15]「一文字」の中心を、だいたい結び目の中心(「手」を真上にした位置)に合わせたら、[1-16]「手」を「一文字」の上に重ねて、

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[1-17]「手」を結び目の裏側に下から上へ通し、先ほど1回締めた結び目もろとも「手」で巻いて、[1-18]上へ引き抜く。

[1-19]1回だけでもいいのだが、「手」の余っている長さや好みでもう1回巻いてもいい。巻くのはだいたい2回まで。これ以上巻いても膨れるだけで、締め付ける力はあまり変わらないと思う。

[1-20]おそらく「手」がまだ残るはずなので、お腹あたりの長着と角帯の間に上から下へ通す。

[1-21]あとは角帯を持って「おりゃー!」と結び目を後ろにもっていけば、

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ハイ、かんせー。[1-22](後ろ)[1-23](横から)体に巻いている部分の上に「一文字」がちょこんと乗っかっているようになっていればOK。

当然だが、この結び方の結び目は左右に少しずらすのではなく、真ん中にもってくる。一文字に巻いた「手」の位置を基準にしてやれば合わせられるだろう。また、下に出ている「手」の余りが気になる人は、適当に折り返すなどして帯の中に隠せばいい。

「しっぽ」の用途

私が最後の「手」の余りを「しっぽ」のように飛び出させているのは、袴の下に隠れて見えないから放置しているのではなく、一文字の形を直しやすくするためにわざと飛び出させている。

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[1-24]最初はこのような状態なのだが、袴をはいて動き回る、あるいは背もたれのある椅子に長時間深く腰掛けていたりすると、[1-25]一文字の部分が反り返るというか、下にずり落ちてくることがある。

この状態ではたいしたことはないのだが、放置していると一文字がグダグダになる可能性もあるので、袴の横の隙間から手を中に入れて、

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[1-26]一文字部分を上へ持ち上げて、[1-27]「しっぽ」を下に引っ張ってやれば元に戻る。

なぜ袴下は一文字結びなのか?

一文字結びだと、上に書いたように背もたれのある椅子などでは結び目が邪魔になるので、普通の結び方にしておきたいと思う人もいるだろう。実際、袴下の帯の結び方は決まっているわけではなくなんでもいいのだが、一文字結びのほうがいい理由があるにはある。

ひとつは、袴の装着方法が「腰板部分を結び目に載せる」ような感じなので、一文字結びだと載せやすいから。これに関しては「袴のはき方(着付け)」を参照してほしい。もうひとつは、袴の構造上の問題だ。

[2-1]一般的な袴は、前側と後ろ側の丈を比較したとき、後ろ側が長くなっている。ちなみに、画像の袴は線(前側の一番上)と線(後ろ側腰板の下)の間が約6センチだが、モノによって差は違うようだ。

よって、この長さの差分だけ後ろ側を持ち上げてやらないと、前側の裾はおかしくなくても、後ろ側の裾が垂れ下がってしまうのだ。角帯をやや後ろ上がりに締めているので大丈夫な気もするが、袴の裾も水平〜やや後ろ上がりぐらいがいいので、そのままではこころもとない。

そこで、帯の結び目を利用して持ち上げてやるわけ。

[2-2]一文字結びは結び目が「帯の上」にくるし、結び目も「厚み」がある。貝の口や片ばさみなど他の結び方に比べて持ち上げやすいのだ。とはいっても数センチが関の山だけどね。

裏を返せば、この差分がほとんどない袴だと持ち上げる必要がないので、一文字結び以外でも大丈夫ということになる。

[2-3]例えばこの袴は前後の差分がない(腰板もないけど)ので、一文字結び以外でも問題はない。もし普段使いなどで一文字結びをしたくない場合は、こういった袴を探したほうがいいだろう。

ちなみに日舞などで袴をつけて踊っている人を見ると、袴の後ろ側がかなり持ち上がっているはず。あれは結び目で持ち上げているのではなく、専用の台座のようなものを帯に差し込んでいるらしい。

袴のはき方(着付け)→こちら

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