角帯の結び方その2「片ばさみ」
最近はやる人が多い?(でもオレはやらない)角帯の結び方「片ばさみ」という方法も解説しておこう。実はこの結び方、基本的に貝の口と途中まで同じ手順で、2回目を結ばず「垂れ」を帯に挟み込むだけ(解説)だったりする。
この結び方は、貝の口結びほど結び目が飛び出さないので、背もたれがある椅子などに座っても結び目による違和感が少ない。ただし結び方の関係上、体に巻く段階で少々キツめに締めていないと帯がゆるみやすいかもしれない。
ここでは結び方のみを解説しているので、ここまでの共通手順はこちらを参照。
片ばさみ解説
片ばさみの準備段階での「手」「垂れ」の長さは、貝の口より「手」が少し短め「垂れ」は少し長めになるかな。
この結び方も「手」の上に「垂れ」を交差させる。
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「手」の下に「垂れ」を通す。ここまでは貝の口結びと同じ。一度ギュッと締めるのを忘れないように。
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ここから「垂れ」の処理が違う。「垂れ」を折り返して、
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体に巻いた部分に折り返した「垂れ」を突っ込む。
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突っ込むのは「手(一番下の巻き、1周目)」と2周目の間。「垂れ」の上に2巻き分の帯がくるわけ。
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「手」「垂れ」を引っ張って形を整えればハイ、かんせー。
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貝の口結びは「手」「垂れ」共に上向きだけど、片ばさみは共に下向きになる。
実際の角帯ではこんな結び目になる。
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「手」「垂れ」の余り具合は人それぞれお好みでどうぞ。調整の仕方は結ぶ前の共通手順の後半で解説してある(解説)。
片ばさみは「挟み込んでる」
片ばさみは、完全に結んでしまう(いわゆる「結び目を殺す」というやつ)貝の口結びと違って、体に巻いた部分に「垂れ」を挟み込んで、帯が締まる力によって「垂れ」を抜けにくくする結び方だ。
なので、体に巻く段階でしっかり締めていないと「垂れ」が抜けやすくなり、結果、全体がゆるみやすくなってしまう。
片ばさみをする場合は、体に巻いていくときにお腹を引っ込め気味で巻くようにして、片ばさみをして終わってからお腹を元に戻す?ようにすると、お腹回りの体積というか断面積が増えて帯が締まるので「垂れ」も抜けにくくなると思う。
あるいは、時代劇に出てくる着流しの浪人のように、片ばさみをして終わったら腰に刀(の鞘)でも差すようにすれば、後付けでお腹周りの断面積を増やすことができるけど、刀の代わりになるようなものを追加するぐらいなら、お腹を引っ込めたほうがいいかと。
残念ながらオレは片ばさみをほとんどやったことがないので、自分で試行錯誤するか、誰か片ばさみをよくやる人に教えてもらったほうがいいかもしらん。すまん。
(C) 2007,2019 バカガエル.