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古着の着物の買い方

低価格で着物を揃えたいなら古着が一番。その特徴や買う時の注意点について解説しておこう。

古着の特徴、長所や短所

オレがここまで着物を着られるようになったのも古着のおかげ。他人が着ていたものは洗濯してもイヤな人にはおすすめできないけど、人が着ていたやつ でも少々気にしない人にはうってつけ。

長所:とにかく安い。

着物にはジーンズのようにビンテージ物という考えが基本的にないので、古着は新品に比べてとにかく低価格。昔聞いた話は、着物の古着屋さんは「もし 新品で買ったら」の20分の1ぐらいの価格設定にしているらしい。単純に新品で20万円相当なら古着だと1万円で買えることになる。

実際は生地の種類や保存状態、扱っている店舗によって価格は変動するけど、長着、羽織、襦袢、それぞれ5千円の計1万5千円で揃えることは充分可 能。探せばもちろんもっと安く手に入れることもできる。

着物ってなんでも何万何十万円もするんじゃないの?いやいや、冗談抜きにオレはこれぐらいの価格で買っているし、そうじゃなきゃ価格にビビって着られんよ(笑)

短所:サイズ(寸法)が小さいことが多い。

古着は元は他人の着物なので、サイズ(寸法)も元の持ち主の体型や好みに合わせて仕立ててある。

この「元の持ち主」ってのが重要で、出回ってる古着は数年〜数十年前?のものが多く、数年前ならまだしも数十年前のものとなると、日本人の平均身長 が今より低かったからか(それだけが原因ではないと思うけど)そのまま着用しようとすると主に着丈や裄丈が「寸足らず」になりやすい。

身長160センチ前半までならいろいろ選べると思うけど、160センチ後半になると一気に選択肢が狭くなり、170センチ以上はかなり厳しくなる。 もちろん身長だけで一概には言えないし、どこまで寸法誤差を許容するかにもよるけど。

ただ、そのままでは寸足らずだとしても「手を加える方法」はあるにはある(解説)

短所:劣化していることがある。

元の持ち主の着用頻度や保存状態などによって、ものによっては生地や縫い糸が劣化していることもあり、着用時に破けたり縫い糸が切れたりする可能性 もある。他にも、特にウール生地に多い虫食い穴、 汚れやヤケ(生地の変色)、へんな臭いがする、などなど。

古着を売ってるほうも見た感じで危なそうなやつはある程度はじいてると思うけど、全部が全部わかるわけではないし、危なそうだから捨て値で売ってい るかもしれないので、安いからといって安易に飛びつくのは待ったほうがいい(後述)。

古着を売っている場所

古着を売っている場所はいくつかある。なかなかお目当てのものは見つからないだろうけど根気よく探してみてほしい。

リサイクルショップ

特に「なんでも売ります買います!」のような店舗が狙い目。引っ越しなどで出る不要品を買い取るというか引き取ってる=仕入れ原価がタダ同然のこと もあるのか、ひとつ五百円千円で売ってることもよくある。

多いのは浴衣やウール生地、有名じゃない?絹生地のものなど。ただし不要品が多いからか、保存状態 が悪い(虫食い、ほころびなど)のも結構あるので注意。

たまに有名どころの生地の着物を売っていることもあるけど、店側もある程度は知っているので残念ながらそれなりの価格だ。

和服専門の古着屋

地方にはなかなかないけど和服(主に着物)を専門に扱っている古着屋さんもある。リサイクルショップよりは多少値が張ることが多いけど、店側も専門 店なので保 存状態の悪いものは少ない(ゼロではない)。

店舗にもよるけど着物に詳しい従業員がいることもある。リサイクル ショップで素人判断で数着買うぐらいなら、古着屋で従業員に話を聞きながら一着買うのもいいかと。

今はネットショップを展開している店もあるので、ネット検索すれば近くの店や品揃えのいい店が見つかるかも。

ネットオークション、フリマ

ネットオークションは古着の宝庫……は昔の話。以前は「お譲 りします」的な個人出品が多かったんだけど、現在ではネット販売の広告あるいはネット販売そのものと化しており、平気で万単位のシロモ ノや変な出品が並んでいる。

それでもたまに個人出品はあるようで、品物を画像と説明文のみで判断しなきゃならないのが難点だけど、運が良ければ掘り出し物に出会えるかもしれな い。

オレは使ったことないけど、今ならフリマ(って言うの?)のほうが個人出品が多いかもしらん。

番外編:家族や親類、ご近所のタンスの中

実は意外と「灯台もと暗し」なのが、自分ちや親類はたまたご近所さんちのタンスの中、いわゆるタンスの肥やしになっているもの。

父ちゃんじいちゃんおじさんに着物を持っていないか聞いてみるとか、ご近所同士の会話で「着物あれば着たい」と上手く誘導?してみるとか。着ないけ ど捨てるにはもったいないので誰か着てくれる人がいれば……というパターンは少なからずある(経験あり)。

古着を買うコツ

とにかく中古品というのが最大の利点であり欠点でもあるので、価格だけでなく状態もしっかり確認しておくれ。

自分の寸法を必ず把握、試着や採寸も

どの方法で買うにしても自分の寸法(サイズ)は絶対に把握(解説)しておくように。特にネット経由で買う場合には画像や説明文で判断するしかないので、自分の寸法を知らなければ話にならない。

実際の店舗で買う場合は、古着の寸法が自分の寸法に合うかどうかメジャー(ものさし)で測ったり、試着できるようなら試着してみることもおすすめ。

ただし注意してほしい(特に着始めたばかりの人)のは、試着「だけ」で合うかどうかを判断しないように。少々寸足らずでもそれっぽく着られてしまうのが着物、自分の寸法や許容誤差と比較した上で試着して具合を確かめるようにしてほしい。

そうしないと「安物買いの銭失い」になるよ?

虫食いやヤケなどをチェック

ウールの長着やモスリン(ウールの一種)の襦袢は、とにかく虫食いの穴が空いていることが多い。襦袢は隠れるからまだどうにかなるけど長着や羽織だとちょっとイタイ。

電灯や外の光など明るいところにかざしてやれば、穴があいていると光が漏れて夜空の星のように「光の点」が出現して一発でわかる。たとえ美 品などと謳われていても一応確認したほうがいいだろう。

他には「ヤケ」といって、保存状態の関係で部分的に生地の色が変色してしまっているものがあったり、ほつれやほころびがあることもある。古着の臭 いや汚れがきついのも、洗濯すれば取り除ける場合もあるけど絶対ではないので、とりあえずは手を出さないほうがいいかもしれない。

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