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着物の寸法の目安と割り出し方

着物も着るモノなので寸法(サイズ)は重要。長着(着モノの正式名称)や羽織、襦袢の各寸法の目安と割り出し方、計算式を解説しておこう。特に古着 を買う場合は、自分のおおまかなサイズを知っておいたほうが都合がいいだろう。

ただし、ここで解説するのはあくまで「だいたいの目安」であり万人共通の絶対 寸法?ではない。個人の体型や好みによって寸法は微妙に違って当たり前なので、参考数値ということだけはお間違えなきように。

長着の寸法の求め方

まずはメインとなる長着の寸法の求め方から。襦袢や羽織の寸法も長着の寸法が基準になる。

着丈、襟の長さ

着丈は、首の付け根(背骨のグリグリ)から足のくるぶし真ん中あたりまで。

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持っている長着で逆算すると、自分の身長から22〜26センチをマイナス すればこの数値になるようだ。襟の長さは着丈が自分のサイズと合致していればほぼ大丈夫かと。浴衣など夏場用の長着は、暑いんだし少し短めでもアリ。

なお、いわゆる「恰幅がいい人」は、胸板やお腹の分「前だけ」着丈がわずかに短くなると言われている。詳しくはこちら

裄丈、肩幅&袖幅

裄丈は、腕を真横へ水平に伸ばした状態で首の付け根から手のくるぶしまで。長めがいい人は下ななめ45度に伸ばした状態の長さだとか。

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持ってる長着 から逆算すると、だいたい着丈の半分の長さ(着丈150→裄75)になる。着丈と同じように夏場用のは少し短いのもアリ。

肩幅&袖幅は、男物の場合はほぼ反物幅いっぱいになっているので、裄丈がクリアできればとりあえずは気にしなくてもいい。ただし細かく言えば、裄丈 =肩幅+袖幅なので、裄丈を気にして肩幅を出しすぎると上半身がダブつく可能性がある。詳しくはこちら

前後身頃(身幅)

これは計算式があって、ウエストの4分の1の数値に2センチ足したものが前身頃幅、ウエストの4分の1の数値に7センチ足したものが後ろ身頃幅。正確にはウエストだけではなく、お腹やお尻の出具合によっても左右されるので、肉付きのいい人?は若干足してもいいだ ろう。

細かい話だと、夏場は暑いので単衣の長着(浴衣)だけでも、冬場は寒いので袷の長着や下に襦袢を着るのであれば、冬場は夏場に比べて「着ぶくれ」する=ウエストが大きくなるとも言えるので、夏場用と冬場用では身幅をわずかに変えるのもアリ。

袖丈、人形、おくみ幅

持っている長着からすると、袖丈はおそらく着丈の3分の1(着丈150→袖丈50)ぐらいだろう。ただし1〜2センチ程度違っていても 着る上でさほど支障があるわけでもないので、あまり気にしなくてもいいと思う。

人形の長さとおくみ幅はほとんど気にする必要なし。特におくみ幅は、だいたい15センチぐらいで固定されている模様。

内あげの幅&位置

長着の構造として、ズボンでいうところの裾上げ(余分な生地を折り返す)ぽいことを腰の部分でやっていて、それが内あげと呼ばれる部分。何センチ必要というものではなく、余分な生地がなければ当然ながらゼロ=存在しないこともある。

内あげがある場合の位置は、帯の下に隠れるのが理想ではあるらしいけど、同じ身長でも人によって微妙に帯を締める位置は変わるし、帯から見えてたところでなんの不都合もない(それを指摘してくるような人は無視が一番)。どうしても気になる人は以下略。

長着の寸法早見表(あくまで目安)

着丈に関しては身長マイナス22〜26センチ、前後身頃は上記の計算式を使って算出してみた。単位はセンチ。あくまで計算式で算出した数値なので参 考程度に。

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前後身頃に関しては、小数点以下は繰り上げ=ほんのちょっと大きめのほうがいいと思う。少し大きいのは着方でいくらか調節できるけど、少し小さいと窮屈だし。このあたりは洋服と同じだ。

襦袢(長襦袢)の寸法の求め方

襦袢は長着の内側に着るものなので、胸元(半衿)以外は基本的に長着からはみ出ないよう、着丈など長着のそれより若干狭くなる。

着丈、襟の長さ

長襦袢の場合は裾が出ないよう、長着の着丈より少し短め。

仕立てる時は長着の着丈より2センチほど短くするらしいけど、古着の場合は着丈もバラバラだし、オレは10センチぐらいまでなら気にしない。半襦袢であれば絶対に裾から出ることはないので、帯を締める位置より下ならばとりあえずOKかなと。

襟の長さは襦袢の構造上気にしなくていい。襟幅もおおむね5セ ンチで固定されている。

裄丈、袖丈

これも長着の袖から出ないよう、長着の裄丈より少し短め。

長着の袖の内部(合成画像)はこんな感じ。長着の裄より2センチほど短いのが目安。オレは5センチぐらいまではOKとして いる。袖丈は、長着の中に隠れるので少々気にしなくてもいいけど、長着の袖丈より長いとダブつくので少し短いのが理想。

前後身頃(身幅)、他

襦袢の身頃は、後ろ身頃は長着のそれと同じぐらいでいいだろう。ただ、襦袢の後ろ身頃は背中の縫い目がなく一枚もの=総幅のことが多いので、その場合は長着の後ろ身頃の2倍の数値になる。

前身頃は、仕立てる時の一応の目安は「長着の前身頃+おくみ幅−襦袢の襟幅−6センチ」らしい。ただし前出のように、長着のおくみ幅は ほぼ15センチで固定だし、襦袢の襟幅もほぼ5センチで固定なので、それらをまとめると「長着の前身頃+4センチ」となる。

羽織の寸法の求め方

羽織は長着の上に着るものなので、裄丈などは長着のそれより若干広くなる。

着丈、襟の長さ

羽織の標準着丈は自分の身長の5〜6割ぐらい、身長170センチの人なら85〜100センチといったところ。細かい数値は着る人の好みで。襟は羽織の裾まであるので、長さを心配する必要 はない。

裄丈、袖丈、前後身頃、他

裄丈は長着と同じく後ろ身頃+袖幅、長着の袖が出ないよう長着の裄丈より長めにする。仕立てる時の目安は+2センチほどらしい。袖丈も長着の袖丈よりわずかに長めが(あくまで)理想。

ただ、特に古着で羽織だけ別に買う場合、身長によっては裄丈の長い羽織はそうそうないのが現状。一張羅は別として普段着日常着の範囲であれば、長着の袖がわずかに出るぐらいはいいかなと思う。

前後身頃も、長着の上に着るので長着よりわずかに広めが理想だけど、裄丈に注意していれば勝手にそれなりの幅になるかなと。

ちなみに男物アンサンブル(同じ生地で仕立てた羽織と長着)の場合は、長着に合わせてそれぞれ寸法を調節してあるので気にしなくていいだろう。

帯(角帯、兵児帯)の長さや幅

角帯は胴に3周巻いて結ぶのが一般的?なので、長さは自分のウエストの約3倍+100センチは必要。100センチというのは角帯を結ぶ(結び目を作る)のに必要な帯の長さの目安で、一般的に売られている角帯は4メートルぐらいが多い。

必要な長さより長いのは締めるときに調整できるんだけど、短いのは調整のしようがない。結び方を片ばさみ(解説)にすれば少々融通は利くし、 最終手段(解説)もあるにはある。

あと、角帯の「厚み」があるやつなど、3周巻くと分厚くなるので2周にする手もあるんだけど、特に最初はできるだけ3周巻ける長さのほうがいいかと。

角帯の幅は、一般的に9〜11センチがほとんど。わずかな差ではあるけど身長が高い人は広めを、低い人は狭めのほうがバランスがいいような。あと広いほうが帯を締めたときに安定感?があるあなと。これも気持ちの問題。

兵児帯の長さは、持ってるのは約380センチ。3周させて結ぶのは同じなので、おそらく角帯と同じ考え方で大丈夫だと思う。ただ、兵児帯の場合 はきっちり締める必要はないので、特に部屋着で使う場合は、ウエストの3倍なくても2倍でもいいかもしれない。

「着てみること」も重要

以上、長着から帯までの目安となる寸法を書いたけど、実際に着てみるのも重要。

古着や既製品は、試着してもいいのなら恥ずかしがらず試着してみよう。また、自分に近い体型の人に貸してもらったり計算した数値を参考にして、古着や既製品浴衣など手頃なものを購入して試しに使ってみるのもアリ。

仕立てる場合は着物屋に任せておけば大丈夫ではあるけど、男物を多く取り扱っているなど、男物に詳しい店のほうがきっちり採寸や要望を聞いてくれると思う。

あと、着れば着るほどというか、自分の体に着物が馴染む「時間」も必要。

最初は試着なり採寸なり計算式なりで「だいたい」寸法の着物を着ることになるけど、着る累計時間が長くなれば長くなるほど、裄丈や着丈など「個人差」が出てくるようになる。

身長170センチ体重70キロだったら体型も全く同じ=全く同じ寸法になるわけじゃないし、その人の体の動かし方やクセなどによっても微妙に変わっ てくるだろうし、さらにはそれに個人の好みも加わるんだし。

言い換えれば、そういったわずかな寸法が気になるようになったら、それだけ着物を着慣れてきてるとも言えるわな。最終的には「着る人が具合がいいか どうか」が一番重要なので、他人がどうあれ自分が具合のいい寸法を見つけておくれ。

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