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着物の使い方に関すること

和服(着物)に関するなんとなく他人に聞きにくい疑問質問のうち、着方や使い方についてまとめてみた。

紬生地は礼服などに使えない?

もはや高級反物の代名詞的存在の紬生地。有名なのは大島紬かな。高級品なのでどんな状況に着ていっても大丈夫と思いがちだけど、特に礼服が必要になる状況ではやめ ておいたほうがいい。

大島紬を含む紬織りの生地がフォーマル用にはダメと言われる理由で多いのは「紬生地は野良着用だから」というもの。これは、紬生地がその昔は製品生地 を織って余った残り糸を紡いで(つむいで)織った生地、例えるなら残り物で作ったまかない飯のような生地だったから、というもの。

これに関しては、もし紬生地が「昔のままだったら」フォーマルな場で着るのはちょっと控えたほうがいいかなと思うけど、現在の紬 生地ってそれ自体が製品で「高級反物の代名詞的存在」で何万何十万もするわけで、矛盾してると思うけどなあ。

あと、フォーマル用の服装は洋服でも「無地」が基本なので、大島紬のように小さいとはいえ亀甲柄なども一応柄物だからやめといたほうがいいの かなと。TPOというやつですな(解説)。女性の着物は礼服でも柄が……オレは男物専門だ から知らん(おい)。

ただし、フォーマルな場とはいえ地域ごとのローカルルールや、そこまで気にしなくていい状況ももちろんあるので、どうしても(大島)紬の着物を 着て行きたい人は、主催者なりに問い合わせて確認するのが間違いない。もし却下された場合は素直に従うように。

なんせ、こういうフォーマルな場での着物に関しては「うるさいの」がよくいるので、あまり近寄らないほうがいい。せっかく着物を着てるのに「洋服姿のうるさ 方」に四の五の言われて萎えるぐらいなら、無難にスーツでも着て行ったほうがマシかも。

浴衣を長襦袢代わり?

自分でいろいろ工夫して考えながら着物を着ている人は、だいたい「浴衣を長襦袢代わりに使ってみてはどうか?」という発想にぶち当たる。オレももち ろん考えたことはある。

結論から言うと「やめたほうがいい」です、はい。

理由は、浴衣はちゃんとした単衣長着(着モノの正式名称)として仕立てられている=前身幅というか前の総幅が長着と一緒なので、長襦袢代わりにする と裾がバサバサして歩きにくいから。長襦袢はそうならないように前の総幅が狭くなってるわけ。

ただ、長襦袢代わりには使わないほうがいいというだけで、浴衣を重ね着(下側)すれば裾がバサバサすることもない(解説)ので、浴衣を有効活用したいと考え てる人はどうぞ。

足袋を履く履かないの基準は?

足袋や浴衣の解説で少し触れたけど、足袋を履く履かないの基準は、恰好がどうこうではなく着る人の判断というか勝手でいい。冗談抜きに靴下を履く履かないと一緒。

唯一履くことを強く推奨するのは冠婚葬祭などフォーマルな場。といっても、結婚式とかに靴下履かずに素足に靴履いて行く人いないのと同じ。

それ以外であれば、着てる和服(着物)がなんであれ、状況判断して着る人が都合のいいようにすればいい。着物だから足袋を履かなきゃいけない、なんてことはなくて、暑いから履かない、寒いから履く、でもOK。

中には「襦袢を着るときは足袋を履く、襦袢を着ないときは足袋を履かない(だから浴衣は足袋を履かない)」といった意見もあるようだけど、襦袢と足袋の使用がリンクしてるのではなく、襦袢の使用と足袋の使用の条件が被りやすいから。

足袋を靴下に置き換えて、どんなときに靴下を履くか考えればわかると思うよ。

着流しって?

最近では「羽織を着ず、長着(+襦袢)しか着ていない状態=着流し」と言われてるけど、正確には「羽織を着ていても袴を穿いていなければ着流し」らしい。

おそらくだけど、羽織を着ていても袴を穿いていない→礼服にしては適当、ということで聞き流す(適当に聞く)と同じ意味合いで着流す (適当に着る)だったのかも。よって、袴の有無ではなく礼服以外=着流し、が正解かもしれない(それこそ適当)。

まあ今どき「今日は着流しで〜」とかわざわざ言うこともないので、どうしても着流しという言葉を使いたい人は民俗学とかの偉い人にでも聞いておくれ。

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