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襦袢の代わりに「シャツ」を使う着方

普段着として着物を着るとき、襦袢の代わりとして長袖シャツやTシャツを使ってみるのもアリだ。そんな着方を解説しておこう。もっとも、この着方は、個人の好きずきがかなりわかれるだろう。ちなみに私はというと、作務衣の時はするが着物の時は自宅以外ではしない(おい)。

実は意外と合理的な着方

この着方、実は結構やってる人もいるようで、襦袢にはない利点もいくつかあるので併せて説明しておく。イメージとしては、夏目漱石の小説に出てくる某教師や、久米田某の漫画に登場するしょっちゅう絶望する主人公とか、そんな感じだ。

もうちょっと袴の着丈が短めで、腰にタオルや手ぬぐいでもぶらさげておけば完璧だったか?体型が違う?それは勘弁……トホホ。なお、画像では素足(裸足)になっているが、個人的主観として、足袋を履くなら黒足袋がいいかと思う。他の色足袋でもアリか?白足袋はなんとなく合わない気がする。

実は長袖シャツ&袴の組み合わせには、なにかとすばらしい利点がある。

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まずは見映えの変化。特に胸元は便利で、少々長着(着モノの正式名称)の胸元が開いてもおかしくなく、当たり前だが「襦袢の下から肌着がのぞく」といったことも絶対に起きない。

続いて袖口だが、比較するためにシャツの袖口を折り返してみた(右の画像)

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もともとこの着物は裄が少々短いのだが、このように長袖シャツを着ることによって、裄の短さが不思議とそんなに気にならなくなる。腕(肌)の露出がなくなるので、脳の認識レベルがなんたらかんたら……なのかもしれない。古着で裄の長い長着が見つからなくても、これで解消することができるわけ。

また、少々汗をかいても長着が肌にまとわりつくこともなく、袖口の汗汚れも防ぐことができる。もちろん長袖シャツが汚れたら、洗濯機へ他の洗濯物と一緒にドボン。襦袢の洗濯どうしよう、などと悩む必要もなくなるのだ。

シャツならなんでも使える?

ところで、こういった着物用?の長袖シャツは、「立て襟シャツ」という名称で売られている。だいたい5千円ぐらい?する模様。値段相応の品物だろうから買いたい人は買ってもいいが、例えば古着で千円の長着に5千円のシャツというのもなあ、と思う人は作ればいい。実際、画像で私が着ているものは作業服から作ったやつ(解説)なんだよね。

他には、色柄が結構はげしい=派手なものもある、お祭りなどで着る「鯉口シャツ」もおもろしろいかもしれない。鯉口シャツは胸元がかなり開いているので、普通のシャツのようにはいかないが、それを逆手にとって、冬場の寒いときなどに襦袢の下に長袖下着の代わりとして着るのもいいだろう。

長袖シャツ+袴なら、長着の寸法ほぼ無視できる?!

今回は撮影用におまけで袴も着けたのだが、実はこの長袖シャツ+袴の組み合わせは、古着でよくある寸足らずをごまかすことができるのだ。さっき書いたように、長着の裄が少々短いのは、長袖シャツを着ることによってなぜか目立たなくなってしまう。そして着丈は、袴の下に隠れるので心配する必要なし、というわけ。

こういったことを書くと「寸足らずをごまかすなどと言語道断!」といった意見もあるだろうが、古着の寸足らずはしょっちゅうだし、だからといって仕立て直すほどのものではないし、といった場合もある。衣服なのだから、着る人が上手に使って着てやればそれでいいと思う。

襦袢そのものを使わない着方

今回は長袖シャツを使ったが、この方法は「着物を着るときに襦袢は必須ではない(解説)」という考え方を元に成り立っている。よって、襦袢を併用しない着方は他にもある。

浴衣や木綿の長着は襦袢なしでもOK。

この代表格は夏場の浴衣。汗を吸収することが実用性のひとつであり、洗濯するのが当たり前の着物(後述)だからこそ、襦袢どころか下着を着る必要もない、ということだ。

しかし現在においては、浴衣は立派な夏用の長着(着物)として確立していると思う。襦袢は使わないにしても、肌着(Tシャツは後述)は着て問題ない。私も肌着は着るが、これは個人の好きずきにまかせる。

また、浴衣に似たようなもので、最近よく見かける木綿の長着がある。劇中で使われているものが本当に木綿かどうかは知らないが、時代劇で町人が襦袢を使わずに着ている長着は、当時は木綿が多かったようだ。

今や浴衣と木綿長着の違いは、「柄が派手かどうか」という主観による区別ぐらいしかない(解説)し、時代劇の町人も肌着しか着ていないことが多い。もちろん木綿の着物でも、襦袢を着てもぜんぜんおかしくない。

「気軽に洗濯できるモノ」で、生地は綿素材がベター。

襦袢や肌着を使わずに着るので、クリーニングでも洗濯機でも方法は問わず、汗汚れ対策として、気軽に洗濯が可能なのは必須条件。なに?着物の汗汚れは干しておけば大丈夫だ?……私は汗クサイ着物を着たくはないからな。

また、長着の素材は綿素材がベター。綿生地は、自宅で気軽に洗濯できるし、肌触りも普通なので、一番この着方に適していると思う。麻でもいけるのだが、綿よりはちょっと手間がかかるのでお好みで。化繊はベタつきやすいし、正絹を襦袢なしで着るのもどうかなあと思し、ウール系は肌触りがチクチクする。大丈夫な人はどうぞ。

ちなみに浴衣は、部屋着(解説)としてならばオールシーズン着てもかまわない。私は冬場自宅でよくやるが、襦袢の代わりに浴衣を使って、その上にウールなどの長着を着るのも、温泉旅館っぽくていいだろう。

ただし、外出(部屋着ではちとダメっぽい範囲)する場合はやらないように。浴衣は単独で長着としても機能するし、寝巻き代わりに着ているならなおさらだ。やはりそこはそれ、着物用汗取りとして襦袢という品物があるのだから、それをちゃんと使うのが「適材適所」だろう。

襦袢の代わりにTシャツを使う着方

これは上記の項目の発展型なので注意事項は同じ。別に難しくもなんともない、襦袢兼下着としてTシャツを使うわけ。この着方、人によってはさんざん文句を言った後、泡吹いてぶっ倒れるような着方(解説)だが、普段着としてなら私は絶対にアリだと思う。

時代劇の町人(武士や商人はダメ)をよーく観察してみてほしい。長着の胸元から、襦袢の半衿ではなく黒いTシャツの首回りのようなものが覗いてるのを見たことがないだろうか?あれは「どんぶり」という、今では祭り装束などに使われる腹掛け?を長着の下に着ているので、その首回りが胸元から覗いているのだ。

さすがに私もどんぶりは持っていないので画像は合成イメージ。現物を見たい人は「腹掛(どんぶり)」で検索してほしい。

というわけで、「どんぶり」をTシャツに置き換えるだけ。白いTシャツでもいいがそこはそれ、半衿の色遊びよろしく、長着の色柄に合わせてカラーTシャツを使ってもおもしろいだろう。特に夏場前後は、結構重宝する着方じゃないだろうか。

Last 2011/04/27. Copyright (C) since 2007 バカガエル.