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主に男物に関する専門用語解説

和服(着物)には専門用語が多く、ウチでは必要最小限に抑えるようにはしているけど、どうしても使わざるをえないこともある。もしわからない用語が あったらここで調べてみてください。

あ行の用語

誂え(あつらえ)

着物屋で仕立てた着物のこと、あるいはそうすること。ざっくり言えば「仕立て」と同じ意味だけど、細かく言えば織りや染めなど生地製作を含む場合を 「誂え」と呼ぶらしい。なにかと「めんどくさい」のでウチのサイトでは「仕立て」に統一しています。

洗い張り(あらいはり)

着物の洗濯方法の一種で、縫い目をほどいてバラバラにしてから洗う究極の洗濯方法。詳細はこちら

アンサンブル

同じ生地から仕立てた羽織と長着(着モノの正式名称)セットのことで、「対(つい)」とも言う。当然ながら表生地は同じ生地になる。

アンサンブルだからといって常に一緒に着る必要はない。また、アンサンブルが仕立てられる長さのある反物、という意味で「アンサンブル反物」と表記 されていることもある。→着尺(きじゃく)

行灯袴(あんどんはかま)

袴の形状の一種。→袴(はかま)

居敷当て(いしきあて)

着物を構成しているパーツの名称で、単衣長着のお尻の辺りに縫いつけてある生地のこと。力布(ちからぬの)ともいう。

座ったときなど、お尻あたりの縫い目に力がかかって裂けるのを防ぐためにつけられる他、透ける生地でのシースルー防止目的としても存在する。袷仕立 てには裏地があるのでついていないし、単衣仕立てでもついていないものもある。

インバネス

着物専用?コートの一種。詳細はこちら

後ろ身頃(うしろみごろ)後ろ身幅(うしろみはば)

着物を構成しているパーツ&寸法の名称。詳細はこちら

ウソツキ半襦袢(ウソツキはんじゅばん)

半襦袢の中で、肌着を着用せず地肌に直接着られる半襦袢の俗称?。ちなみにオレは、区別せず普通に半襦袢と呼んでいる。

襦袢の生い立ち?を考えれば、ウソツキどころかこれが本来の使い方だと思わないでもない。詳細はこちら

内あげ(うちあげ)

着物を構成しているパーツ?の名称で、長着の腰あたりにある縫い込み部分のこと。詳細はこちら

馬乗り袴(うまのりはかま)

袴の形状の一種。→袴(はかま)

衿(襟)留めピン(えりどめピン)

襦袢や長着の襟を留める、細長いS字型のピンで、胸元が開くのを防ぐことができる。必須アイテムではなく、使わなくても問題なし。詳細はこちら

衽(おくみ)

着物を構成しているパーツ&寸法の名称で、長着の前身頃に縫い付けられている部分のこと。詳細はこち ら

織り元(おりもと)

着物用の生地(反物)を作ってる(織っている)業者というか職人のこと。

か行の用語

額裏(がくうら)

着物を構成しているパーツの名称で、羽織の背中部分にある裏地のこと。

羽織の裏地は絵が描かれているなど結構派手な場合が多く、図柄によっては額縁に入ってる絵のようなので額裏と呼ぶんじゃない?ホントはどうだから知 らない。

角袖(かくそで)

着物専用コートの一種。詳細はこちら

肩当て、肩すべり

着物を構成しているパーツの名称で、長着や羽織の肩の部分にある布のこと。

肩部分の生地の滑りをよくするためにつけられていて、スーツやブレザーなどにもついているものがあるはず。仮になくても着用上はさほど問題はないと 思う。

肩幅(かたはば)

着物の部分寸法の名称で、背中の中心線(背縫い)から袖の付け根までの長さ。詳細はこちら

着尺(きじゃく)

長着一着分が仕立てられる長さがある反物のことで、12メートルぐらいの長さがある。当然ながら長着一着分しかなく、もしこれで羽織を作ってしまう と長着は作れなくなってしまうので、両方欲しいときは、約20メートルほどあるアンサンブル用の反物が必要。→アンサンブル

着丈(きたけ)

着物の部分寸法の名称で、肩部分から裾までの縦の長さ。詳細はこちら

鯨尺(くじらじゃく)

着物独特の寸法表記で、尺貫法と同じく「○寸○分○厘」という表記。詳細はこちら

献上柄(けんじょうがら)

角帯の柄の一つ、特定の2種類の図柄+数本の線がセットになっているデザインのことで、有名なのが「博多献上帯」というやつ。

九州の藩が大名に献上していた帯の柄が由来らしく、図柄はこの形状限定で、似ていても微妙に違う図柄などは「変わり献上」というらしい。

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2 種類の図柄には、独鈷(どっこ)柄と華皿(はなざら)柄という固有名があり、線にも固有 名があるみたい。名称は「博多織工業組合」の公式HPより。

小紋(こもん)

遠くからだと無地に見えるものの、間近だと細かな模様がびっしり入っているような生地のこと。江戸時代のころに「派手な色柄は禁止!」というお触れ が出たので、その法令の抜け道?として考え出されたらしい。

さ行の用語

作務衣(さむえ)、甚平(じんべい)

着物を動きやすいように改良した(のかどうかは知らない)言うなれば和服版シャツとズボンのセット。詳細はこちら

仕立て(したて)

生地を縫って着物を作ってもらうこと。今ある着物をバラして寸法など再調整してもらうことを「仕立て直し」という。

しつけ糸

着物を誂えたときや新古品のものを買ったとき、袖などについてる、おおざっぱに縫ったような意味不明の白い糸がそれ。

着物が型くずれしないように?留めてある糸で模様ではない。着るときには全部撤去してOK。

襦袢(じゅばん)

着物類のひとつで、長着の下に着用するインナー?のようなもの。詳しくはこちら

正絹(しょうけん)

着物生地によく使われる素材のひとつで、早い話が絹(シルク)。詳しくはこちら

上布(じょうふ)

本麻を使った高品質生地の別名……でしょ?(自信なし)。だいたい地名とセットになって○○上布、と呼ばれている。

袖なし羽織(そでなしはおり)

着物類のひとつで、読んで字のごとく袖部分のない羽織。詳しくはこちら

袖幅(そではば)、袖丈(そでたけ)

着物の部分寸法の名称で袖の寸法。詳しくはこちら

た行の用語

たとう紙

着物をたたんでタンスなどに収納するときによく使われる大きな包み紙のことで、漢字で書けば「畳紙」らしい(そう変換された)。

誂えや仕立て直しをしたときには、かなりの高確率でこれに包まれて返ってくる。ちなみにオレはいくつか持っているけど、めんどくさいので使った記憶 がほとんどない。

反物(たんもの)

着物屋などに売っている、筒状にぐるぐる巻いてある着物用生地のこと。詳しくはこちら

力布(ちからぬの)

→居敷当て(いしきあて)

紬(つむぎ)

生 地の織り方の種類で、生地の所々に織り糸を繋いだ(紡いだ)、極小のダンゴムシ?のような跡がみられる生地。大島紬など有名な生地が多い。

その昔、 織り元が製品を織り上げたあと、残った糸を繋いで自分たち用の生地を作っていたのが始まりだとかで、おそらくそれから「紡ぎ→紬」となったのだろう(詳細 不明)。野良着用だなんだと言うくせに、今ではアホな着物屋が一見さんに高確率で勧めてくるほど高級品=高価になっているのが不思議。

胴裏(どううら)

着 物を構成しているパーツの名称で、袷仕立ての長着や襦袢の裏地のこと。長着の場合、金巾(かなきん)という濃い紫(紺)の生地がよく使われるけど、自分で 生地を用意すれば金巾以外もいける。

とんび(コート)

着物専用コートの一種。詳しくはこちら

独鈷柄(どっこがら)

角帯の献上柄における図柄のひとつ。→献上柄(けんじょうがら)

な行の用語

長着(ながぎ)

いわゆる一般的に着物と呼ばれているものの正式名称。ちなみにウチのサイトでは「和服」「着物」「長着」をなるべく使い分けてます。詳しくはこちら

人形(にんぎょう)

着物を構成しているパーツ?の名称。詳しくはこちら

は行の用語

羽裏(はうら)

着物を構成しているパーツの名称で、羽織の背中部分の裏地のこと。→額裏(がくうら)

羽織(はおり)

長着の上から着るジャケットのようなもの。詳しくはこちら

袴(はかま)

着物類のひとつで、洋服に例えるならズボンのようなもの。詳しくはこちら

華皿柄(はなざらがら)

角帯の献上柄における図柄のひとつ。→献上柄(けんじょうがら)

半衿、半襟(はんえり)

襦袢の衿部分に縫い付けられている、襦袢の生地とは別の生地のこと。詳しくはこちら

半着(はんぎ)

着丈が短い長着のこと。詳しくはこちら

左前(ひだりまえ)

和服全般、基本的にやらない着方。詳しくはこちら

太物(ふともの)

木 綿反物の別名。昔からの業界用語っぽい。糸の直径が絹糸に比べて綿糸のほうが大きいとか、それゆえ同じ長さの生地を筒状にすると正絹に比べて直径が大きく なる(太くなる)からとか。詳細は知らん。

本麻(ほんあさ)

着物生地に使われる素材のひとつで、早い話が麻のこと。詳しくはこちら

ま行の用語

前身頃(まえみごろ)前身幅(まえみはば)

着物を構成しているパーツ&寸法の名称。詳しくはこちら

右前(みぎまえ)

和服の一般的な着方の呼び名。→左前(ひだりまえ)

身頃(みごろ)身幅(みはば)

着物を構成しているパーツの名称。→前身頃(まえみごろ)、後ろ身頃(うしろみごろ)

水通し(みずとおし)

着物を仕立てる時にやるオプション工程のひとつ。詳しくはこちら

無双(むそう)

言葉の意味自体は「双(ふたつ)と無し」で、ひとつだけ、という意味。普通の羽織紐は左右2本組を結ぶわけだけど、結ぶ必要のない一本物(=2本組 ではない)の羽織紐を「無双の羽織紐」と呼ぶし、羽織の袖の仕立て方で表生地と裏生地が同じ(=2種類の布ではない)「無双仕立て」というのもある。

木綿(もめん)

着物生地に使われる素材のひとつで、早い話が綿(コットン)。詳細はこちら

紋付き(もんつき)

紋 (家紋)がついてる長着や羽織のこと。冠婚葬祭など礼節を重んじる席上で着るのがこれ。詳しくはこちら

たまに勘違いしている人がいるけど「羽織袴=紋付き」ではない。羽織の背中に家紋があれば紋付き(の羽織袴)なければただの羽織袴。

や行の用語

裄丈(ゆきたけ)

着物の部分寸法の名称。詳しくはこちら

ら行の用語

絽(ろ)、羅(ら)

生地の織り方の種類で、いわゆる夏場のスケスケ着物に使われる、隙間のある織り方をしている生地のこと。帯に使われていることもある。

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隙間の大きさ?によって、絽(小)→紗(中)→羅(大)と分類される。羅はさらに特殊な織り方をしているようで価格もかなり特殊とか。

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